東京オリンピックで初めて男性から女性へと性転換したトランスジェンダーが、女性競技に出場します。
ニュージーランドの重量挙げ選手であるローレル・ハバート選手が、トランスジェンダー初となる選手です。
男性が女性に性転換するのですから、もちろん不公平では?と思いますよね。
しかし規則が明確化されており、それをクリアすれば問題ない、とされています。
2021年8月2日、オリンピックで初めてトランスジェンダーの選手が登場することになります。
いったいどのように報道されるのでしょうか?
また、女性なのにこの規則が作られたために出場不可とされる選手まで出てきてしまいました。
そこで、オリンピックでトランスジェンダーの規則はどのようになっているのか?
また、女性なのに出場できないとは、どのようなことなのか?
こちらについて紹介します。
オリンピックのトランスジェンダーの規則はどのようになっている?
ニュージーランドオリンピック委員会(NZOC)は30日、同国代表として東京五輪に出場するトランスジェンダーの重量挙げ選手ローレル・ハバードに対し、ソーシャルメディアで悪質な投稿が寄せられたと明かし、同選手を守ると表明した。https://t.co/7n2MWuOPLD
— AFPBB News (@afpbbcom) August 1, 2021
東京オリンピックで初めてトランスジェンダーの女性(元男性)が出場予定です。
これは前述のとおり、重量挙げの選手であるローレル・ハバート選手です。
元男性が女性の競技に出るのは不利である、とされていますが国際陸上競技のガイドラインには規則が明確化されています。
それは、「大会1年前のテストステロン値が10ナノモルを下回っており、かつ10名の盛るを維持すること」が条件、と定められています。
テストステロンとは男性ホルモンの一種で、筋肉量を増強することで知られています。
これは男性の体内だけでなく、女性の体内でも作られるホルモンです。
10歳くらいまではテストステロンに男女で大きな差はありませんが、12歳付近を境に差が現れます。
そして16歳になると男女で約15倍もの差が出てきます。
男性から女性へのトランスジェンダーはホルモン治療を行い、小学生レベルまでテストステロンの値を落とす必要があります。
ローレル・ハバート選手が現在どの程度のテストステロン値があるのか不明ですが、規定内であることからオリンピックに出場できるのでしょうね。
ローレル・ハバート選手の話が多く出ていますが、アメリカの400mハードルの選手でトランスジェンダーのシーシー・テルファー選手はテストステロンの値が高いため、出場資格なしとされたためオリンピックに出場することが出来ません。
このように、テストステロン値がオリンピックに参加できるかどうかの明確化された規則となっています。
オリンピックのトランスジェンダーの規則により女子が女子競技に出られない?
ナミビアの金メダル候補である女子400mの選手が、テストステロンの値が高すぎてオリンピックに出場できなくなった、と以前発表されました。
このナミビアの選手はクリスティン・エムボマ選手とメダル候補であるベアトリス・マシリンギ選手。
2人はこのルール適用外である200mでの出場に切り替えたとのことです。
もちろんこれまで女性として生まれ、女性として生活していた選手たち。
しかしながら東京オリンピックからはテストステロン値が参加規則となるため、それまでとは違った種目に出場せざるを得ないようです。
南アフリカのキャスター・セメンヤ選手を知っていますか?
ロンドンオリンピック・リオオリンピックの陸上女子800mの金メダリストです。
彼女は声が低く、筋肉の付き方が男性的であり、そして結果も2位を圧倒してきたために、女性であることを疑問視されてきました。
そこでホルモン検査が行われ、通常の女性の3倍の量のテストステロン値があることがわかりました。
しかし、ドーピング違反の事実はなく、生まれつきテストステロン値が高い、ということでした。
これは一般の男性と比較すると、1/5程度の値です。
この値は性別を疑われるようなデータにはなり得ません。
とはいえ、今後のオリンピックはテストステロン値が生まれつき高い選手や、なんらかの理由でテストステロン値が高くなってしまった選手については、出場できない恐れがあります。
それだけでなく、そもそもテストステロン値が低いからトランスジェンダーの選手が出場して良いか、という点についても今後議論の余地がありそうです。
コロナ禍の中で開かれた初のオリンピックというだけでなく、東京オリンピックは別の意味でも今後に語られるオリンピックとなりそうですね。
オリンピックでトランスジェンダーの規則は?女性なのに出場不可も!まとめ
「オリンピックは排除ではなく、迎え入れる場所」
トランスジェンダー選手の #東京オリンピック 出場
「トランスジェンダー女性の方が有利だ」という声に対し、専門家は「アスリートが経験してきた苦しさなどに想像が及んでいない現状がある」と指摘します。
#tokyo2020 https://t.co/Hdf3eul2A4
— ハフポスト日本版 / 会話を生み出す国際メディア (@HuffPostJapan) August 1, 2021
オリンピックでトランスジェンダーが出場するにはどのような規則があるのか?
また女性なのに出場不可という例を紹介してきました。
2021年8月2日にローレル・ハバート選手が登場します。
金メダルを獲得した場合、明日の報道はどのように行われるのでしょうか?
いろいろと試されるオリンピックとなりましたね。
結果が楽しみなところです。
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