基幹統計とはなにで関係省庁は?違反時の罰則や使用用途も調査した!

基幹統計,とは 政治経済

建設業の受注形態を表す国の基幹統計の調査で、建設業者から提出されたデータを国交省が無断で書き換えていたことが報じられています。

今回改ざんが認められたのは「建設工事統計」と呼ばれるものです。
実はこの基幹統計、内閣府と8つの省庁から算出されています。

そもそも基幹統計とはどのようなものなのか、気になりますよね。
そこで、基幹統計とはなにで関係省庁は?

違反時の罰則や使用用途も調査した!
こちらについて紹介します。

基幹統計とはなにで関係省庁は?


基幹統計調査で国土交通省がデータを改ざんしたことで、大きな問題になっています。
ニュースを読んでいくと、GDPへの算出にも使用される統計であることがわかりますよね。

そもそも基幹統計とはどのようなものなのでしょうか?
日本には統計制度というものがあり、統計法に基づき作成されています。

統計法は公的統計の体系的かつ効率的な整備及び、その有用性の確保を図ることを目的として制定されています。

この制度に基づいて公的統計を算出することで、国民経済の健全な発展及び国民生活の向上に寄与することが謳われています。

公的統計の中でも特に重要な統計なことを基幹統計と呼びます。
ここには国勢調査などに基づく国勢統計や、国民経済計算などの統計が含まれています。

この基幹統計は正確な統計を作成する必要性が高いために、一般統計調査とは別のルールの元に施行されています。

基幹統計とそれを管轄する省庁の一覧がこちらになります。

◆内閣府
・国民経済計算
◆総務省
・国勢統計
・住宅・土地統計
・労働力統計
・小売物価統計
・家計統計
・個人企業経済統計
・科学技術研究統計
・地方公務員給与実態統計
・就業構造基本統計
・全国家計構造統計
・社会生活基本統計
・経済構造統計
・産業連関表
・人口推計
◆財務省
・法人企業統計
◆国税庁
・民間給与実態統計
◆文部科学省
・学校基本統計
・学校保健統計
・学校教員統計
・社会教育統計
◆厚生労働省
・人口動態統計
・毎月勤労統計
・薬事工業生産動態統計
・医療施設統計
・患者統計
・賃金構造基本統計
・国民生活基礎統計
・生命表
・社会保障費用統計
◆農林水産省
・農林業構造統計
・牛乳乳製品統計
・作物統計
・海面漁業生産統計
・漁業構造統計
・木材統計
・農業経営統計
◆経済産業省
・経済産業省生産動態統計
・ガス事業生産動態統計
・石油製品需給動態統計
・商業動態統計
・経済産業省特定業種石油等消費統計
・経済産業省企業活動基本統計
・鉱工業指数
◆国土交通省
・港湾統計
・造船造機統計
・建築着工統計
・鉄道車両等生産動態統計
・建設工事統計
・船員労働統計
・自動車輸送統計
・内航船舶輸送統計
・法人土地・建物基本統計

引用:総務省公式Webページ

実に53もの統計が基幹統計としてあげられています。
これだけの省庁が毎年データを算出して統計を作るため、かなりの人手と労力がかかることが想像できます。

基幹統計の違反時の罰則は?

基幹統計は重要な統計であるため、一般の統計調査にはない罰則が定められています。
それがこちらです。

・報告義務
基幹統計調査に対する正確な報告を法的に確保するため、基幹統計調査の報告(回答)を求められた者が、報告を拒んだり虚偽の報告をしたりすることを禁止しており(第13条)、これらに違反した者に対して、50万円以下の罰金が定められています(第61条)。
・かたり調査の禁止
被調査者の情報を保護するとともに、公的統計制度に対する信用を確保するため、基幹統計調査について、その調査と紛らわしい表示や説明をして情報を得る行為(いわゆる「かたり調査」)を禁止しており(第17条)、これに違反した者に対して、未遂も含めて2年以下の懲役又は100万円以下の罰金が定められています(第57条)。

引用:総務省公式Webページ

この罰則をみるに、虚偽の広告をしたりすると、50万円以下の罰金が定められています。

さらにはかたり調査の禁止として、違反した者には懲役又は罰金100万円以下が定められています。

今回の国交省ではいったいどのようにデータを集めたのでしょうか?
虚偽の報告をあげたために50万円以下の罰金に値するのでしょうか?

もしくは、業者が数か月分をまとめて提出した場合に1ヶ月分の受注実績にしていました。

これは数か月分ですといってデータを提出してもらい、1ヶ月分に計上したかたり調査になるのでしょうか?

かたり調査は違和感がありますが、やっていることはかたり調査に近いものがあります。
気持ち的には懲役行きで良いのでは?と思います。

虚偽の報告では罰金50万円以下ですが、データの改ざんを複数年に渡って行っており、たかだか50万円では済ませたくない、というのが正直なところ。

なお、この基幹統計で集められた統計情報はなにに使用されるのか、紹介します。

基幹統計の使用用途は?


基幹統計の使用用途ですが、国民経済の健全な発展及び国民生活の向上に寄与される、と総務省のWebページに記載されています。

基幹統計という国の重要な情報を集めた統計情報を元に、政府の政策立案などを行います。

景気の判断にも使用されるため、この統計情報が誤っているということは国の力を見誤ってしまうということになります。

このデータは国際協力を目的としても使用されており、国連統計部やOECD等の国際機関に対するデータの提供を行っています。

日本は国際比較プログラム(ICP)への参加しており、GDPはこの基幹統計を元に算出しています。
さらに、IMFが各国の経済活動の透明性を確保するためのデータにも活用されています。

これら海外で使用するデータも誤っている可能性が高いということになりますね。
これから岸田内閣は、この問題をどのように解決していくのでしょうか。

基幹統計とはなにで関係省庁は?違反時の罰則や使用用途も調査した!まとめ

基幹統計とはなにで関係省庁は?
違反時の罰則や使用用途も調査した!

こちらを紹介してきました。
岸田首相は過去のことなので予算の信頼性は損なわれていない、と主張しています。

しかし、一度改ざんしてしまうと今は本当に正しいのかが疑われてしまいますよね。
どのような行動をとるのか、気になるところです。

なお、なぜ基幹統計を書き換えたのか?はこちらで紹介しています。
ぜひ見てみてくださいね。

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