インドのコロナ感染者が3日間で100万人を上回る勢いです。
これはインドで行われる祭りであるクンブメーラが開催され、少なくとも500万人が集まったため、と言われています。
クンブメーラは3年に一度開催、と言われたり大規模なものでは12年に一度開催される、と言われています。
コロナ大規模感染を招いた、インドのクンブメーラとはどのような祭なのでしょうか?
クンブメーラについて、紹介します。
コロナ拡大を招いたインドのクンブメーラとはどのような祭?
クンブメーラはインドでは重要な祭であり、宗教的行事でもあります。
クンブメーラはヒンドゥー教徒が集まり、聖なりう川で沐浴を行う大規模な行事であり、巡礼をも意味しています。
この祭は3年ごとにハリドワール、イラーハーバード、ナシク、ウッジャインの4か所を持ち回りで開催されます。
そのため同じ場所での開催は12年に一度ということになりますね。
沐浴が行われる川はそれぞれ、このとおりです。
イラーハーバード:ガンジス川とヤムナー川、そして神話上のサラスヴァティー川の三河川の合流地点
ナシク:ゴーダーヴァリ川
ウジャイン:シプラ川
また、インドではなくネパールのチャタラダムにあるコシ川でも行われています。
サラスヴァティー川は現在はなくなった河川ですが、宗教的には重要な役割を果たす川で、サラスヴァティー女神はこの川を神格化された神と言われています。
クンブメーラの語源はヒンディー語の元になったサンスクリット語やそれ以外のインド諸語までさかのぼります。
この単語の意味ですが、クンバは「水瓶」、メーラは「祭」を表しています。
この祭は約一ヵ月半続きます。
参考として、リオのカーニバルも世界的な有名な祭ですがこちらは4日間の開催です。
クンブメーラの開催場所である4か所は神話の中に登場する場所で、神が不死の妙薬をたたえた水瓶を運ぶ際に、その雫が滴った場所としてヒンドゥー教徒には信じられています。
2013年に開催時には、もっとも縁起の良い人された2月14日には約8000万人が参加したと言われています。
8000万人とは、途方もない数字ですね・・・。
この祭にはインドの方だけでなく、世界中のヒンドゥー教徒が一斉にやってきます。
そのため、毎回数千万人規模で開催されています。
2019年にも2月5日には5500万人の参加者が沐浴を行ったとのことです。
祭を通しての延べ人数だと、1億人以上も参加するようですよ!
コロナ拡大を招いたインドのクンブメーラの歴史は?
クンブメーラの最初の記録は629年にまでさかのぼります。
中国の僧である玄奘がインドを訪れた際に記録していました。
この玄奘は西遊記に出てくる三蔵法師のモデルとなった方です。
その記録によると、それよりも何世紀も前からこのような祭が形作られていた、とされています。
コロナ拡大を招いたインドのクンブメーラの種類は?
インドのクンブメーラは4つに分類されます。
クンブメーラ:ネパールを含めた5か所で開催
アーダクンブ・メーラ:イラーハーバード、ハリドワール、チャタラダムで6年毎に開催
プルナ・クンブ・メーラ:イラーハーバード、チャタラダムで12年に一度開催
マハー・クンブ・メーラ:イラーハーバード、チャタラダムで144年に一度開催
前回のマハー・クンブ・メーラは2013年に開催されています。
144年に一度開催とのことなので、相当に大規模な祭だったことでしょう。
祭では沐浴だけでなく、複数建てられたテントの中でヨガをしたりカレーを食べたりもしています。
その祭では、サドゥーと呼ばれる修行者が多く参加していますが、その中にはなんと20年近くも腕を下ろさないという苦行を自らに課している人や、座らないという苦行を実践している人などもいます。
コロナ拡大がわかっていてもインドのクンブメーラは止められなかった?
インドでは大規模なコロナ感染拡大が起こっており、既に医療崩壊が起こっている状態です。
なぜ祭の開催を止めることができなかったのでしょうか?
2021年の初めには、インドでは「コロナを克服した」という雰囲気が広がっていました。
そのため気が緩んだのか、巡礼者数百万人がマスクをせずに沐浴を行いました。
インド政府としても祭の開催は止めたいところだったのでしょうが、ヒンドゥー教の指導者らの反発を懸念したために祭の中止をすることができなかったようです。
さらには、ガンジス川で沐浴することで、神がコロナから守ってくれると信じたために祭に殺到したとも言われています。
このことにより、現在では火葬場の火が絶えません。
医療用の酸素も不足しており、酸素ボンベ1本を複数人で分け合って使っている状況です。
酸素が盗まれるという事件も発生しており、デリー高裁は酸素タンクの供給を妨害するものは誰でも絞首刑に処する、と警告を発しています。
インドではコロナウイルスの変異株2種類が結合した、二重変異株が拡大しています。
そのうえに三重変異株まで見つかっています。
現在イギリス・カナダ・インドネシア・UAE・などはインド発の飛行機の入国を遮断している状態です。
まとめ
コロナ大規模感染を招いた、インドのクンブメーラとはどのような祭なのかを紹介してきました。
ヒンドゥー教徒の祭は想像をはるかに超えたスケールで開催されているようですね。
しかし、コロナを克服するために祭に参加し沐浴した結果、さらなるコロナの拡大を招いてしまうという皮肉な結果となりました。
日本でもようやくコロナのワクチンの接種が始まってきました。
全員に行き渡るまで、耐えることが必要です。
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