2021年に真鍋淑郎さんがノーベル物理学賞を受賞したことが報じられています。
二酸化炭素の温暖化影響を予測し、現代の気候の研究の基礎となったために受賞となりました。
そんな真鍋淑郎さんはどのような学歴、経歴なのでしょうか?
また、アメリカ国籍なのはなぜなのでしょうか?
こちらについて調査したので、紹介します。
真鍋淑郎の学歴は?
ノーベル賞 真鍋淑郎氏 単独インタビュー「好奇心が大事」 #nhk_news https://t.co/YtMOJ07fk6
— NHKニュース (@nhk_news) October 5, 2021
見事ノーベル物理学賞を受賞した真鍋淑郎さんですが、さぞや有名な大学を卒業していると思われます!
そこで、学歴について調査してみました。
真鍋淑郎さんは愛媛県宇摩郡新立村、現在の四国中央市新宮町に生まれました。
新宮尋常高等小学校に卒業した後は愛媛県立三島中学校、現・愛媛県立三島高等学校を卒業しています。
現在の偏差値は49と新学校とはいえない偏差値ですが、当時の高校はあまり多くはなく、近くの高校を選んだのではないでしょうか。
高校を卒業した後、東京大学理学部地球物理学科に進学しています。
卒業した後は正野重方氏に師事、東京大学の大学院の博士課程に進んでおり、1958年博士課程を修了、「凝結現象の綜観的研究」で理学博士となりました。
正野重方氏は当時日本の気象学の第一人者であり、現在も日本の気象学の基礎を築いた人物として知られています。
その研究業績は世界的にも認められている人物で、日本人としては初めてアメリカ気象学会の名誉会員に選ばれています。
東京大学理学部地球物理学科の偏差値は67で、理系の中でもトップクラス。
当時の大学の中でも同じくトップクラスであったと思われます。
真鍋淑郎の経歴は?
アメリカでのニックネームですが、アメリカでは淑郎が発音しずらく、このためにsukiとなりました。
1931年に生まれた真鍋淑郎さんの学歴は前述のとおり。
卒業した年の1958年にアメリカ国立気象局、現・アメリカ海洋大気庁に入り、後には主任研究員に就任します。
1968年からプリンストン大学客員教授を兼任することに。
1975年になるとアメリカ合衆国の国籍を取得しています。
1988年には北半球で温暖化が先行すると発表、1989年には数値モデルによる地球温暖化予測の研究が科学雑誌ネイチャーに掲載されています。
そしてこの結果が第1回気候変動に関する政府間パネル報告書を通じて注目となりました。
1997年に帰国し科学技術庁の地球フロンティア研究システム地球温暖化予測研究領域長に就任。
しかし2001年にこれを辞任し再渡米しプリンストン大学研究員となります。
この辞任は地球シミュレータを利用しての他研究機関との共同研究が、所管元の科学技術庁官僚から難色を示されたことがきっかけ、と言われています。
この1件は日本の縦割り行政が学術研究を阻害していることで頭脳流出に繋がったことは批判されています。
当時はスーパーコンピューターによる「地球シミュレーター」の顔になることが期待されており、大きな痛手となったことも併せて報じられていました。
そして2021年には「気候の物理的モデリング、気候変動の定量化、地球温暖化の確実な予測」の業績により、ノーベル物理学賞を共同受賞しています。
気象分野の研究者がこの賞を受賞するのは、今回が初の快挙です。
異常気象が叫ばれている今、気象分野の重みに世界が目を向けてきたことの証ではないでしょうか。
真鍋淑郎はなぜアメリカ国籍を選んだのか?
【速報】ノーベル物理学賞にプリンストン大・真鍋氏https://t.co/U9OTgsJkJc
ことしのノーベル物理学賞に気候変動モデルを提唱し地球温暖化研究の第一人者として知られるアメリカ・プリンストン大学の真鍋淑郎さんが選ばれました。日本のノーベル賞受賞は2年ぶりです。 pic.twitter.com/xGHVCCdPUA
— 日テレNEWS (@news24ntv) October 5, 2021
前述のとおり、1975年にアメリカ国籍を取得しています。
この理由はいったいどのようなものなのでしょうか。
これは、1997年に帰国した際、科学技術庁の地球温暖化予測研究領域長としての共同研究で、官僚から難色を示されたことが原因となります。
40年ぶりに里帰りし、日本の温暖化研究を本格的に進めていこうとした矢先に、日本の縦割り行政の弊害を受けたことで、日本では研究ができないと判断したことから、と思われます。
当時真鍋淑郎さんは官僚への批判は極力控えていましたが、「同じ人間がアメリカで出来て、なぜ日本ではできないんでしょうか」とこぼしていたそうです。
さらに、「日本はもっと挙国体制をとるべきなのに、ここではそれがなかなかできません」とも。
日本ではこれ以上研究を続けられないと判断し、アメリカに戻り国籍を取得し研究を続けています。
この1件、今なら頭脳流出は避けられたのでしょうか?
まだまだ官僚は旧体質がはびこっていると思われ、今でも同じことになり得るのでは。
同じようなことが繰り返されないように、真鍋淑郎さんが「アメリカ人としてノーベル賞を受賞」したことを、よく考えてほしいものですね。
真鍋淑郎は東大卒で学歴や経歴は?アメリカ国籍を選んだ理由も調査!まとめ
真鍋淑郎は東大卒で学歴や経歴は?
アメリカ国籍を選んだ理由は?
こちらについて紹介しました。
なぜか報道では、日本人がノーベル物理学賞を受賞、と報道しているところもありました。
残念ながら、真鍋淑郎さんはアメリカ人です。
なぜアメリカ人での受賞となったのかは、しっかりと振り返ってほしいものですね。