2021年7月16日に公開された、細田守監督作品である「竜とそばかすの姫」。この映画を見て、なにかに似ているな?と思ったのですが、その疑問が解けました。それは、ディズニー映画である「美女と野獣」に似ているのです。
主人公はベルだし、野獣を彷彿とさせる存在が竜。そしてガストン役と言えるのが自警団のリーダーのジャスティンではないでしょうか。また、最初は竜がベルに心を開いていなかったのですが、だんだんと心を開いていくストーリー展開も共通しています。
そこで、「竜とそばかすの姫」と「美女と野獣」の共通点をまとめてみたので紹介していきます。なお、「竜とそばかすの姫」は細田守監督本人が美女と野獣の影響を受けて作成したことも明らかにしています。細田守監督のコメントも紹介していきます。
竜とそばかすの姫は美女と野獣のパクリなのか?共通点を調査した!
【細田守作品】金曜ロードショーで『竜とそばかすの姫』地上波初放送!『時をかける少女』と2週連続https://t.co/TMceMJs882
7月1日に『時をかける少女』を放送。翌週の7月8日に昨年、興行収入66億円の大ヒットを記録した『竜とそばかすの姫』を放送する。いずれも本編ノーカットとなる。 pic.twitter.com/2qaB6dI2uk
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竜とそばかすの姫と美女と野獣には6つの共通点があると考えました。その6つがこちらになります。どちらの作品を見ている人であれば、納得できる共通点ではないでしょうか。
竜とそばかすの姫の本来の主人公はすずという名前で、仮想空間ではベルという名前です。ベルが最初に美女と野獣から採用した名前で、英語のベルは鈴を意味する言葉なので、主人公の名前を「すず」にしたものと思われます。
そして、竜とそばかすの姫に出てくる竜は、当初細田守監督はデザイナーに「野獣」を指定していました。しかし、デザイナーの方が野獣を竜のように描いてきたことから、タイトルに竜を入れたことをご本人が明かしています。
また、美女と野獣の一番の名シーンとしても知られている、ベルと野獣がホールでダンスをするシーンですが、これを彷彿させるシーンも登場しています。そのシーンはこちらの動画の2分20秒あたりから確認することが出来ます。
美女と野獣にはガストンという、野獣という悪を倒す役割を与えられた人物がいます。これにあたるのが、竜とそばかすの姫ではジャスティンです。ジャスティンはUの世界を乱す悪者と竜を定義し、これを排除することにやっきになっていますね。
そして「美女と野獣」の野獣は最後には元の王子の姿に戻ります。一方、竜は元の姿である恵を登場させています。これも共通点に挙げられるのではないでしょうか。そして、細田守監督は2面性について、インタビューに答えていました。
それは、美女と野獣のベルが村人には「本好きの変わった子」と思われていたのに、実は野獣と接する時には好奇心が旺盛で心優しい女性が表現されています。この2面性は、竜とそばかすの姫では現実世界と仮想空間のアバター世界を表しています。
さらには、「インターネットは嘘の世界で現実が本当」というのは古い考えであることも細田守監督は明かしており、ベルを変わった子と決めつけるのはおかしい、と根底には思っていたようです。このような共通点が2作品にはありますが、決定的に違う部分もあります。次はその違いについても紹介していきます。
竜とそばかすの姫と美女と野獣の決定的な違いとは?竜とベルは結ばれない!
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竜とそばかすの姫と、美女と野獣の決定的な違いですが、それはラストに2人が結ばれるのか?という点です。美女と野獣はラストに野獣は元の姿を取り戻し、ベルと結ばれます。しかし、竜とそばかすの姫では2人は結ばれることはありません。
これは、美女と野獣は愛をテーマにした作品であり、竜とそばかすの姫は家族をテーマにした作品であることが考えられます。ラストシーンでは竜の本来の姿である恵に戻り、虐待をしていた父親と戦う決意をし、すずは溝があった自分の父親との関係を改善します。
このように、「愛」「家族」のテーマの違いが、作品の決定的な違いを生み出しているのではないでしょうか。竜とそばかすの姫でも愛については描かれているのですが、すず以外のキャラクターの間でそれが表現されています。
そのような主人公以外のラブストーリー部分を描いた理由については不明ですが、その流れからベルがすずであることが一部にバレています。そのためにラブストーリーを作成したのかもしれませんね。
細田守監督はサマーウォーズを始めとして、多くの家族愛に関する作品を作ってきました。この竜とそばかすの姫でも、その意識をいかんなく発揮しています。また、細田守監督なりに美女と野獣を解釈した結果なのかもしれませんね。
細田守監督は美女と野獣を意識していたことを明らかにしていた!インタビューも紹介!
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細田守監督作品である竜とそばかすの姫は、一部では美女と野獣のパクリではないか?と言われています。しかし、竜とそばかすの姫はパクリではありません。細田守監督はインタビューでこのように答えています。
「竜とそばかすの姫」は、ミュージカル映画にしたかったんです。インターネット世界を舞台にした、現代の『美女と野獣』のような演出になっています。
引用:日刊KELLY
パクリとは悪意やずるい気持ちがあって行われるものだと思います。このように美女と野獣を言葉にしているということを考えるとパクリではなくオマージュではないでしょうか。オマージュとは、尊敬する作家や作品に影響を受け、似た作品を創作することを指します。
竜とそばかすの姫はきっとこのオマージュの概念が適用されるはず。さらには、このようにも語っています。
村一番の生娘が美女なのではなくて、雨に打たれて泥だらけになりながら、頬っぺたに傷がついて血を流しているそばかすの子が「現代の美女」なんじゃないか。そういう地平にこの映画がたどり着いたので、昔の『美女と野獣』をアップデートすることが出来たという手応えを、絵コンテを描きながら感じました。
引用:季刊エス
ここでは、美女と野獣をアップデートできた、とも言っており、自分なりの解釈で美女と野獣を描けた、ということを表しているものと思われます。そういえば、主人公のすずは母親を亡くしています。
美女と野獣のベルにも母親がいません。この点も共通点になりますね。作品の中では、すずの親友であるヒロちゃんからは「陰キャ」「地味」などとひどい言われようをしていますが、美女と野獣のベルも村人から奇異な目で見られていました。
共通点や相違点、そして細田守監督のコメントなどを紹介してきましたが、いろいろと気になるところが多い作品なのが「竜とそばかすの姫」。細田守監督作品には毎回クジラが登場しますが、この作品も同様に登場しています。
いったいクジラがどのような意味を持つのか知りたくありませんか?細田守監督作品とクジラについては、こちらの記事でまとめています。ぜひこちらも見てみてくださいね。
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